コダック破産申請

コダックが破産申請出しました

ちょうど今日あたり 本当はアニメ「あの夏で待ってる」にからめてフジフィルムのシングル8の話やコダックのスーパー8の話とか書こうと思ってた矢先(この件はまた日を改めて・・・)

銀塩フィルムからデジタルへ
その流れには逆らいきれなかったのか


圧倒的なシェアと技術力で追従を許さなかったメーカーだったのに
デジカメもいち早く商品化したりフィルム以外にいろいろ生き残りを模索してたみたいだけど
でもカメラもカメラ専業メーカー以外にも家電メーカーも登場し激戦区になり太刀打ちできなかった


同じような境遇のメーカーでレトラセットというメーカーがある
一昔前は インレタやスクリーントーンスクリーントーン登録商標でレトラ以外ではこの商品名は使えない) カラートーンで デザイン業界 漫画業界では圧倒的な支配力を持っていた
しかし デジタル化で インレタはパソコンのフォントに スクリーントーンもデジタルのトーンデーターに移行してしまった 日本ではもう影も形もない アメリカ本国では まだ細々とマーカー等を販売してるみたいだけど風前の灯火
このメーカーもデジタル化が始まった当初に インレタのフォントをデジタル化して販売開始したりデジタル化にはいち早く取り組んでいた
私はこの当初に レトラセットが発売したイラストレータのオブジェクト変形用プラグインを買ってとても便利に使っていた
しかしデジタル化はレトラの収益構造にとって美味しくないものだった
インレタやスクリーントーンは消耗品
使えばどんどん無くなり 仕事として使っていれば高価なシートをどんどん買い続けなければならない(スクリーントーンは当時1枚850円 インレタはLサイズシートが1枚2150円だった)
でもデジタルフォント デジタルトーン それにソフトは 一度買えば終わり
無限に使い続けられた
だから売り上げは激少あっというまに衰退して市場から消えていった


コダックも同じフィルムという消耗品から データという無形へ
カメラさえあればフィルムはまったく必要なくなってしまったのだから 売り上げ激少会社も傾く


私もフィルムを最後に使ったのはもう5〜6年前
最後にフィルムを使ったときの話
http://d.hatena.ne.jp/hidecr/20090913/1252847599



銀塩カメラ使ってたのは大学時代がメイン
使ってたのはネガフィルムじゃなくて ほとんどポジフィルム(スライドフィルム)
コダックのエクタクローム
コダクロームは コントラスト高目の彩度が高すぎて 海外旅行のスナップなんかだと最高に雰囲気でるんだけど 日本で普段使うには使いづらかった
さくらフィルムのさくらクロームは 赤以外の色が控えめで 赤ばかりが目立つフィルムだった
フジフィルムのフジクロームは 木々の緑や日本人の肌の色が綺麗に発色するように工夫されてた
コダックのエクタクロームは フジやさくらのフィルムと違って特定の色に偏るような発色はせず バランスがよく コダクロームと違い中間色の階調もすごく豊富な良いフィルムだっった


あとこのエクタクロームでは特殊現像を指定できたんだよ
普通の現像所ではやってくれないんだけど東洋現像所(今のデジタル編集会社IMAGICA/アニメや映画のクレジットにはよく入ってるよね)を指定して発注してた
普通フィルムにはASA感度表示があって その数値にしたがって露出を決めて撮影する
コダクロームはASA64 とASA100
エクタクロームはASA100 200 400 の3種類のフィルムがあった
当然400の方が感度いいので 暗いところでも明るい照明をつけずに撮影することができた
そしてこのエクタクロームの場合は現像をしてもらうときに指定すると 増感現像という方法で感度アップすることができた
2倍4倍8倍と感度アップ指定が大きくなるほどオプション料金も高くなったけど
ASA400のフィルムでも暗くて撮影できないような場所で
ASA800の設定をカメラにして撮影する そのまま普通に現像すれば真っ黒にしか仕上がらないけど 2倍増感指定で現像してもらえば ASA400のフィルムがASA800フィルムとして綺麗に現像されてくる 最大8倍増感まで出来るから ASA3200なんていうとんでもない感度で撮影することも可能だった(ただしここまで増感現像すると 粒子が粗くなり アンバーが強いカラーバランスも崩れた写真になるけど)
だから夜 場末の街角にポツンと店を出す屋台とか そういった普通では暗くて撮影できないような風景写真が照明を使わずにどんどん撮影できるというフィルムだった



そういえばコダックは芸術写真や報道写真も買いあさってたハズ
こういった価値ある作品達は売り飛ばされてチリジリになっていってしまうのだろうか




(痩せてて今の面影がない 毎日カメラ撮りまくってた大学時代の私)