心臓マッサージをした そして救急車に消防車とパトカー

勤務先での事
お客さんが帰ってからすぐ戻ってきて駐車場に人が倒れてると言ってきた
その時私は奥で作業してて、その話を聞いたうちの若い女の子が駐車場に見に行った
うちの女の子が戻ってきて女の人が倒れてて声を掛けても反応がないけど、警察か救急かどっちへ連絡したらいいだろうと動転して聞いてきた
そんなもん 人が倒れてたら警察なんかあとまわしでもいいし とりあえず大至急救急車呼べと言って駐車場に様子見に行った
小雨が降り続けてる駐車場に小柄な女の人が倒れている 見た感じ40〜60代くらいの結構歳がいった感じの女性 手には買い物したようなレジ袋とバックを持っている 本当に動かない反応がない って呼吸してないじゃん 
靴を履いてない っていうか やたら長いジャージの裾が足を隠して ジャージの先から足が見えず裾の部分は中身がなくだらんとしてる 最初私は足先を切断した身障者かと思った しかし足がない人がなんでこんな所に一人で倒れてるの? 誰かが車に乗せて連れてきてここで落としていったの?なんて事件めいた事を考えてしまった
結果としては やたらサイズが大きい長い裾のジャージを裸足で履いてただけだったのだけど

とりあえず駐車場を後にして戻ると うちの女の子が救急に電話してる最中で 救急車が来るまでの間に心臓マッサージをして様子みてくれと言われてた 女の子は 動転してて 私心臓マッサージなんてしたことないし と おろおろしてる
私だって したことない と言いつつ 電話の子機を受け取って駐車場に走る
救急隊員の 電話越しの指示で 心臓間サージを試みた
胸を両手で体重かけてリズムつけて押さえる
しばらくすると女性が呼吸しだした
ほっとしたが 声を掛けても反応がなくがたがたと震えるような状態 意識がハッキリせず身体が痙攣してるような状態だ とりあえず息を吹き返したので このまま小雨降る駐車場に置いとくわけにもいかないので 横で様子見てたお客さんに手伝ってもらって雨のかからない軒先まで移動させて寝かせた これ以上私にはなにもすることが出来ないので 駐車場から戻ると うちの女の子がおろおろしてて 私が警察に電話した?と聞いたら まだと言うので 警察に電話して状況説明する
駐車場に戻り 声を掛けても相変わらず反応なく痙攣繰り返してる
そうこうするうちに救急車が来て救急隊員が彼女を救急車に移送していった 
その最中にサイレン鳴らして なぜか消防車までやってきた
救急隊員のサポートらしいが なぜわざわざ消防車?
救急車の中で救急隊員達が女性の様態を確認し処置をしている間に やっとパトカーがやってきた
警官が事情を聞きにきたので事務所で説明を始めたときに
「俺の彼女がこちらで倒れたと聞いたもんで」とべろんべろんに酔っぱらった40代くらいの男性が入ってきた
話を聞くと その男性と彼女だと言う女性で一緒に飲んでいた時に口論となって 女性が怒って裸足で飛び出していってしまったと言うのだ
で その男性は女性のサンダルを持って近所を探していたら うちの駐車場に救急車と消防車とパトカーが止まって騒然となってるもんで もしかしてとやってきたら 救急隊員から説明を受けたらしい

まあこちらとしては 呼吸止まって駐車場に倒れてた女性の命はとりあえず助かったし すぐ関係者が来てくれたので警察の事情聴取もその関係者にしてもらうことになって 警察との対応もそこで済んだし 荷が下りたという感じ

後で確認したら ほんの15分間くらいの出来事
そのわずか15分間の間に 呼吸止まった ほぼ死体の女性に心臓マッサージして 救急車来て 消防車来て パトカー来て 駐車場は大騒ぎ そしてあっと言う間にみんな去っていって 平穏が戻ってきた


文中ではうちの若い女の子が動転してオロオロしてたと書いたけど
彼女は感情をあまり見せないクールなインテリ風女性なので一見いつもどおりに見えたのだけど
警察と救急のどちらに連絡したらいいかと聞いてきたり
電話での心臓マッサージの指示にためらっていたり
その後警察への連絡も忘れてたりという状況から
見た目以上に 彼女の内部では そうとう動転してパニック状態だったのだろうと推測された