名古屋市内に残る秘境?

今日は晴れて穏やかな気候だったので 犬の散歩で家から歩いて10分くらいのところにある山へ行ってみた
自宅周辺は私がこの街に移り住んだ40年以上前のころから宅地開発が進んでほとんどの場所が団地やマンションと一戸建てになってしまっている。
残る自然は宅地開発で作られた整備された公園として点在するだけ
でもこの山は地主が土地を売らなかった為 周囲が完全に宅地開発化された後も自然を残したまま四方を住宅に囲まれて取り残されてしまっていた
私が幼かった頃は このたいして高くもなく 周囲の宅地開発された丘と同じかそれより低いくらいの山だけど お弁当持って家族や友達と手軽に出かけるピクニックスポットだった 小学生低学年の頃の徒歩遠足でも出かけた場所だ 私のイメージとしては 雑木林のなんの変哲もないただの低い平凡な山という程度の認識しかなかったけど 宅地開発が進む中 残された自然を残そうという活動が出てきた この山が名古屋市内では唯一の山ホタルの生息地として注目を集めたからだ 普通の水辺に棲むホタルと違い 湿気の多い山の森の中に生息するホタルだ 
この山を貫通する道路が計画されたことから山の自然が分断されて生態系が狂ってホタルの生息に影響が出ると問題になったり 地元有志の募金で少しずつ土地の買い取りを行ったりして自然保護公園化が進められてきていた 今では名古屋市による自然保護指定地区にもなって 中心街に高層ビルを建築する場合ビルの大きさに合わせて緑地などの公共スペースを敷地内に設置しなければならない条例があるのだけど それに満たない設計の場合 こういった市が指定している自然保護地区に出資することでビルの建築を認可するということもやっているようだ 
ただし 生態系の保護 自然保護を目指す為 あまり多くの人が押し掛けると自然破壊になるので 公園としての整備も最低限で 奥に入るとあまり人の手が入ってない場所も多く 公園への標識もほとんどなくひっそりと住宅街の奥にある公園だ
そういう有名なスポットだったけど 身近すぎる場所だったこともあり 小学生の頃以来足を踏み入れたことがなかった

住宅街の横にある自宅から一番近い場所にある森に入る入口の一つ

森の入口横に森を縦断する工事中の道路の起点がある

工事中の道路の計画を記した看板があった
自然保護でもめて中断したりしてたのでもう30年くらいかかっている

公園内案内
一応遊歩道が森の中にあるように書いてあるけど 一部以外は森の中の獣道のような状態で
歩いていても道がどこにあるのか判別つかなくなり標識もないので この道路案内もあまりやくにたたない


公園内部には竹林部分が多い 入口付近は手すりが作られて道が整備されている
途中ですれ違う人たちがみな「おはようございます」と声を賭けてくる


どんどん奥へ進むと道はなくなる 一応この木が倒れたりしている林は散策道のハズなんだけど どこが道なのか判別つかないただの林
途中どのあたりにいるのか判らなくなって iPhoneのMap開いて といっても森林内部の獣道までMap表示では記載されていないので航空写真表示にして自分のいる位置をGPSで確認しながら移動した  
蛍を見に来た人が山の中で道に迷うという話を聞いたが 外灯もない道なき森をさまよいながら懐中電灯片手にホタルウォッチングするんだから たしかにここに初めて来る人は絶対迷うと思う 



工事中の道路があった


帰りは森の反対側から出たけど そこには猪が最近出没しているので見かけたら連絡するようにという看板があった
名古屋市内で猪かよ どんな山なんだよ 最近このあたり狸も出没する 私も犬の散歩中すぐ近所の住宅街で狸を見たことがあった
私が子供の頃は猪も狸も出るなんて聞いたことなかった 造成宅地開発で動物達は減り 残った者も人目を避けて隠れて暮らしていたのだろう それが最近見かけるようになってきたのはまた繁殖して増えてきたのだろうか

結局家を出て散歩から帰りついたのは 2時間後のことだった