ムネシュネの娘たちを見て あらためて日本のアニメ・コミックにおける北欧神話の勝手な流用

ムネシュネの娘たちのストーリにおいてキーとなるのがユグドラシルの種による不死だ ユグドラシルトネリコの木ともよばれ北欧神話における世界樹の世界観につながる
日本のアニメやコミックにおいてなぜこれほど北欧神話がもてはやされるのか


まず最初に言っておきたいのは別にムネシュネ批判をするつもりはない ムネシュネはおもしろい作品だと思っているし 日本のアニメやコミックで北欧神話ベースにしているものでも 面白い好きな作品はいっぱいある
でもなぜ日本人はこれほど北欧神話が好きなんだろう


北欧神話の世界はさまざまな神が存在し妖精が飛び回るという ファンタジーの原形のようなものだが 日本人はそのファンタジーっぽさの表面だけで喜んでいるようにも思える
そもそも北欧神話はイギリスやノルフェー等の地域にあった土着信仰が元だ それは本来地域に根ざした明るい信仰であり 謎やら不思議などばかりが闊歩する世界ではない
これらのところは日本における八百万の神やらさまざまな日本神話の世界と同じだ 日本のおいてはその後ファンタジーの世界は神道になり神社として今に残り 中国から仏教が入ってきても共存してきた
しかし北欧の土着信仰においては キリスト教が入り込み
キリストが絶対唯一の神であり  土着信仰の神々は異教の存在として弾圧と抹殺を始めたことにより 北欧信仰は徐々に忘れ去られていった
キリスト教ほど差別や弾圧をし何世紀も人々を苦しめた宗教はないだろう
そして妖精やユグドラシルやら キリストの教えの基準からするとありえない 存在しないはずの不思議な部分だけが人々の心にのこった
ある意味そういった不幸なできごとが北欧神話を謎多き世界へと変貌させたのだろう


でもなぜ日本が舞台の話で北欧神話
日本が舞台なら日本の神話を元にするのが自然ではないのか?
そのあたりはストーリーを作る者の無知や無節操さで 単に安易にカッコよく見栄えがよいストーリーが作れるというだけで 無国籍ストーリーにしているというようなことはないだろうか
日本を舞台に北欧神話を展開するなら それなりの必然的な設定も作ってほしい
いっそ舞台も無国籍っぽくひらきなおって 「ミンキーモモ」のナレーション風に どこかの国のどこかの街でいいではないか