フランス料理と演劇の日

少し前の事 
その日はメイドちゃんの誕生日だったので ちょっと贅沢なランチ

家の近所の住宅街の中にあるフレンチレストラン
以前は頻繁に来た店 久々に
この店6月いっぱいで閉店するんだって 
いつもそこそこ客は入ってるのに 
この日も外は大雨なのに 席は8割くらい埋まってた
料理も 特に店で焼いてる出来立てパンがすごくおいしくて
店内のグランドピアノ生演奏がBGM
店が無くなるのはとても残念


オードブル
私はエビと空豆のやつ 
メイドちゃんの方は鶏肉



メインディッシュ
私のは 白身魚のアーモンド添えだったかな オリーブオイルがきいてて とてもおいしかった
メイドちゃんのほうは デミグラスソースのハンバーグ この店で何故ハンバーグ?

この日のランチコースは 肉系はハンバーグと鶏しかなかったけど・・
鴨とかあったら 私は白身魚じゃなくたぶんそっちにしてただろうけど ハンバーグじゃな〜って思って魚にした





ランチ食べてから そのまますぐ高速に乗って静岡へ
メイドちゃんの友達がやってる劇団の公演があるっていうので見に行った
メイドちゃんは素人小劇団の自主公演の舞台見るのは初めてだと言ってた
私は大学で映像学科だったから 映画やドラマ撮影で 舞台芸術学科の役者志望の人たちに出演してもらったりして交流あったので その人たちの自主公演の手伝いを何回もしてたから 何度もそういう舞台は見てる


舞台は・・・ まあ素人劇団ならこんなもんかなって程度だったけど
悪いけどレベル低すぎ・・・ 地方の田舎劇団だとこんなもんなのかな・・・
演技のうまいヘタは全然期待してなかった だって素人だもん そこに期待したら酷だよ 
でも舞台としての本当に基本くらいはきちんとしててほしかった とにかく発声がダメダメ 一部に声が出てるキャストもいたけど ほとんどはまったく発声トレーニングを一度もしたことがないんじゃないかなってくらいのレベル 声が出てるキャストもきちんとトレーニングしたわけでなく プロの舞台でのキャストがやってるのを見様見まねで独学的にボイストレーニングした程度って感じで演劇っぽく大声でしゃべるだけで 発音はまったくダメ!
よく演劇のボイストレーニングで「あかんぼあかいなあいうえお」とかいうのをやってる風景があるけど(涼宮ハルヒ1期最終話 冬のSOS団部室風景で演劇部の発声練習の声が聞こえてくるのがあったけど) あれって基礎のボイストレーニング第一段階の発声トレーニングが済んでからの 第二段階の発音トレーニングなんだよね でもあれを大声で発音すれば発声練習になると勘違いしてる人も多い(私の中学/高校の演劇部もその程度だったし) でも実はまったく違う まずとにかく声を出す練習 腹から声を出すトレーニング きちんと腹から声が出ていればたとえ小声でささやくような演技でも 大声じゃなくても会場の隅々まで声は通るんだよ 会場のお客さん全員にきちんと舞台での会話が小声でも隅々まで届かなくては舞台演技じゃない その根本の基礎をおろそかにして 演技を語るような劇団は 演劇以前の問題 単なる演劇好きがあつまって 劇団ごっこしてるだけ
だからまず大元の基礎 腹から声を出すトレーニング 私は高校入ってすぐギター部に半年いて その後杉田二郎(「戦争を知らない子供たち」を作ったフォーク界では超有名な神)の甥っ子がクラスメイトにいて そいつにさそわれてたった3人の合唱同好会ってのを立ち上げた (まあ今だったらボイパグループみたいなもんだよね) なんか顔も杉田二郎にそっくりで杉田二郎を糞真面目にした感じのキャラだった で合唱の為に基礎でボイストレーニング毎日させられたけど 発声中に腹を殴ってくるんだよ ちゃんと腹から声が出ていれば腹を殴られても腹の筋肉が硬直してるから殴ってきた拳ははじきかえされて 発声してる本人にもダメージはない でも腹から声が出てなくて咽で声を出していれば 殴られた瞬間に腹にダメージを受けてゲホゲホってなる つねに腹の筋肉に意識を集中させて発声するという体育会系トレーニングだった 
でもその後保育科の女の子が何人も入ってきて(私がいた高校は 普通科とは別に 幼稚園の先生や保母さんを目指す保育科とか 昼トヨタ関連の工場で働いて夜学校に来る夜間科とかあった)人数は増えた頃には体育会系でなくなって 保育科の女の子達中心のまったりとした「けいおん!」のノリになっていったけど まあ同好会の練習場所そのものが防音効いた保育科のピアノレッスン室だったこともあったしね(この高校全体に部活がまったり系だった 3年になって芸大目指して入った美術部もまったり系だったし 3年にいりびたってた生徒会も お菓子たべてお茶して時間を過ごすまったり系だった)
でもこのスパルタ発声練習は短期間に腹から声を出すボイストレーニングの基礎を習得するにはいい方法だったと思う そして腹からちゃんと声がだせるようになってから その声がはっきりきちんと発音できるように第二段階のトレーニングに移る それが演劇でいう「あかんぼあかいなあいうえお」にあたるんだよ そいう根本の基礎をとばしていくら発音練習しても発声基礎ができてなければ なんの意味もない

舞台自体も 序章以外は大半の演技が舞台左半分に作られた食い物屋のセットで行われる 右半分は店の外の道路という設定 でもなぜ半分で区切る 右半分はただ店へ行き来するだけの通路としか使われない そこでも簡単な会話は行われるけど 実際の演技時間のほとんどは左半分の店内 それも店内に設置された1つのテーブルで行われる 広い舞台なのに 舞台左端に置かれた1つのテーブルの前に固まって ちまちまと演技が行われる もっと舞台の広さを活かした大道具配置や演出が必要なのに・・・


この劇団って 演技を指導できる人どころか 基礎の発声すら教える者がいなくて 舞台を効果的に見せる演出のこともなんにも知らない素人の集団なんだなって思った
下手すると上手(かみて) 下手(しもて) のような本当に基礎の演劇用語の意味する演劇論すら知らないのかもと思ってしまうほどの舞台だった (上手/じょうず 下手/へた ってことじゃないよ)これの意味することは舞台だけじゃなく 私が専攻してた映画の分野でも理論体系化されていて授業で聞かされたよ

やっぱり地方劇団の自主公演ってのはこんな程度なのかな 名古屋ならこれ 自主公演というより演劇好きのカルチャースクールの人たちの発表会程度のレベルより低いかも カルチャースクールの発表会でも それなりのセミプロみたいな人が指導やアドバイスしてたりする 名古屋のような小都市でも 演劇芸能プロダクションはある NHKのロングランドラマ「中学生日記」はNHK名古屋が製作してて それに出演してたのは地元中学の演劇部の子達がオーディション受けて出てたので 子役達の裾野が広くて けっこう演劇は盛んな街だったと思う 私と妹のように付き合ってた幼なじみの 私と同い年の姉貴も中学生〜高校の当時「中学生日記」レギュラーだったし 当時高校になっても「中学生日記」かよって言ってた・・・



ついでに最近昔の写真も整理処分してるので その時に出てきた当時の写真

舞台芸術学科の後輩が組んでたチームの自主公演の本番直前リハーサル風景
ここには写ってないけど この劇団には 下の私が作ってた映画の 坂本龍馬と遊女役の2人が参加してた



公演の場所は阪急塚口駅から徒歩5分のピッコロシアター 30年前当時のシアター周りは田んぼ
この塚口駅は ハルヒたちがいつも集合場所に使う西宮北口駅のとなり駅



こいつは 私が所属してた映像学科の後輩が立ち上げた劇団の舞台 この劇団を立ち上げた後輩は 私の映画で沖田曹司役をやってた
団員は映像学科 舞台芸術学科だけでなく 近所の女子短大の女の子も参加していた(女子短大の女の子はどちらかというと合コンのノリで芸大に男あさりに来てた感じだったけど)



こいつは私本来の学業 3年時の年間製作風景 
時代劇映画撮影中 
右の方で白いTシャツ着て中腰でカメラ構えてるのが私 撮影 音響 編集 技術的な部分はすべて私担当 その隣でライト持ってるのが 監督 脚本 演出 の相棒 私とこの相棒二人の共同製作課題として学校に提出した
あと役者手配も舞台芸術学科に知りあい多かった私担当だったな 足りないスタッフは監督が幼なじみとかつれてきて手伝ってもらった

内容は新撰組と勤王の志士の話で ホモでネジがぶっとんだ沖田総司坂本龍馬を手籠めにするという 今で言えばBL風ストーリー
写真に写っているのは 土方に 坂本をスパイしている遊女が状況報告しているシーン このシーンは箕面市のスタッフの知りあいのお寺で撮影した
時代劇映画の自主製作って 衣装 かつら ロケ地 すべてにおいてすごく大変なんだよね 
だからいくら映像学科で 映画専攻する学生でも ほとんど時代劇には手を出さない それにチャレンジして作ったってだけで教授の評価は高かった