画材

ちょっと必要があって最近フィクサチーフを買うことになった
商品名は発売メーカーによって フィクサチーフとかフィクサチフとかフィックスとかいろいろあるけど 用途はみな同じ木炭スケッチやパステル画等の定着や泣き止めの為に使うスプレー
使用目的としてはこれよりもコーティング膜が厚いレトラセットから出てたレトラコートの方がよかったのだけど レトラセットはデザイン画材がデジタル化した時期に採算とれなくなって商品の販売及び開発停止等が進んで日本市場から撤退して今はレトラの商品はほとんど日本では手に入らない (デジタル化初期ではデジタルフォントの販売やイラストレータプラグインの変形フィルタの販売等でうまくアナログ画材からデジタルへ移行しようとしてたけど失敗  昔はレトラといえば文字のインレタシールやコミックでは必須のスクリーントーン等でのトップメーカーだったのにね)

まあそんなわけで定着スプレーが欲しくて ちょうど嫁が街中に出てた時に買ってきてと頼んだ
20年以上前に私は印刷所やデザイン事務所相手の 画材のルートセールスやってたこともあって名古屋の画材屋は大概知ってたけど 今更画材が必要になって 画材屋を思い起こしても当時の画材屋はほとんど無くなって デジタル出力サービスか私が昔やってたような法人向け販売しかやってない 画材店というような普通のお店が街から消えてしまっていたのだ(郊外の車で行くような場所にはまだ残ってる画材屋もあるけど) しょうがないのでハンズへ行けば売ってるはずだと思って東急ハンズで買ってきてもらった

買ってきてもらう時に困ったのが 商品の説明
芸大出身の私にとってはデザインの課題製作の時に使う当たり前の普通の画材だったけど 嫁は知らなかった (一応嫁はデザイン専門学校出身だったけど)
パステルとかに使う定着スプレーと言っても全然通じない
しょうがないので お店で店員に聞けば絶対置いてあるからと言っておいた 実際嫁が店員に聞いたらすぐ商品がある場所を教えてくれたそうだ
デジタルが進むとこういったアナログな画材はどんどんマニアックな特殊なものになっていってしまうのかな 私も今ではデジタル専門だけど 一応烏口もロットリングも使える 烏口なんて使い方どころか手入れのしかたも今の子達は絶対知らないだろうね ロットリングも詰まったりしたらすぐ新しいカートリッジ交換せずに 分解して糸のような針をクリーニングして組み建て直して使ったりしてたし(0.1mmは針が細すぎて組立できなかったけど0.2mm以上ならカートリッジ交換せずにいつも分解クリーニングで済ませてた) 今の子には和紙のスワンペーパーとマスキングフィルムの用途による使い分けとかも解らないだろうな 
私も画材や道具の使い方が専門じゃなかった 普通高校から芸大に進んだ私にとっては知らないことだらけだった でも周りは高校でも工芸学科とかの出身者多くて道具知ってて当たり前みたいな状況で 授業もそういう基礎は知ってること前提に進んでたので とにかく調べて覚えなけりゃ留年という状態だった

そんなこともあって当時はそれなりに使う画材にもこだわったりしてた
たとえばアメリカ製クレヨラのクレヨン 同じクレヨラ製品でもクレパスは日本のものとそう変わらなかったけどクレヨンは全然別物だった 蝋の量がハンパじゃなくて 色がなかなか着かないそれをゴシゴシ塗りつぶすと出てくる透明感のある色彩が好きだった クレパスと違ってクレヨンは幼児用だったので基本色しか色バリエーションがないのが残念だった
色鉛筆はベロールイーグルカラーの60色セット これはクレヨラのクレヨンとは逆 日本製色鉛筆と違って軽く描くだけで色がこってりとノル 普通の色鉛筆よりクーピーペンシルのが色のノリがいいけど それよりさらにノル ほとんどパステルに近かった 

今ではアナログな画材なんて使わない 私はアドビのイラストレータフォトショップがメイン 3Dはシェード 画材シミュレータにはペインターやMac書道山水とか(Winな人だと3Dは六角大王に色つけはサイかな?マンガ描く人だとコミックスタジオとかパワートーンあたり?)デジタルで完結してしまうから画材使わない よって画材屋も商売成り立たなくなって店が無くなる 油絵とか絵画をアナログで描いてる人くらいしか画材使わないようなマニアックな世界になっちゃったのかな