華氏451を久しぶりに見た

また映画の話
いちおう私はこれでも芸大出身で映画を中心とした映像関連の学科を専攻していた その関連でアニメにも関わるようになったわけなので 映画はアニメ以前からの私の本来のオタク部分だ
カンヌで入賞もした溝口健二の代表作『雨月物語』を始め黒沢監督の『羅生門』等一連の作品及び『瀬戸内少年野球団』や『獄門島』等を撮影した日本映画の巨匠カメラマン宮川一夫が主催する撮影研究ゼミにも参加していた グラフィックデザインはクーピーペンシルのパッケージデザインを代表とするデザイナ 色彩は近鉄電車等の色彩デザインを手がけたデザイナ 写真撮影は種子島ロケット発射の記録撮影をしていたカメラマン等の教授に師事した ちなみにこのカメラマンの教授の紹介でドキュメント映画の編集スタジオでバイトしていたこともある
話は戻るが 先日古典SF映画華氏451』を何十年ぶりかに見た 原作は古典SFの『火星年代記』でも有名な巨匠レイ・ブラッドベリーだ
この映画(原作)はその後に多大な影響を及ぼした 
911ニューヨークテロを題材にしたドキュメンタリ『華氏911』のタイトルは華氏451を元にしている 監督のマイケル・ムーアは原作へのオマージュとしているが ブラッドベリーは盗作だとして少し前に訴えていた
少し前のアニメにもなったラノベ図書館戦争』も『華氏451』をベースにしている(作者は『図書館の自由に関する発言』に影響されたと言うが 設定から派生するストーリーを見れば『華氏451』の影響も大きいことは明白である) というかあまりにも光景無灯なむちゃくちゃな設定すぎて基の『華氏451』の設定がなかったらこの話はなりたたないくらいひどい話だ 作中『華氏451』の話題をだしオマージュっぽく誤魔化そうとしているが この作家の良識を疑うような作品である
ちなみに現在放映してる『とある魔術の禁書目録(インデックス)』も何万冊にもおよぶ禁書を安全に保管するためにインデックスと呼ばれる少女の脳に記憶して保存するというアイデアも『華氏451』のラストで禁書を本としてでなくレジスタンス達が脳の記憶として未来に伝えていこうとする部分を思い起こさせる
そういや昔『R.O.D(リード・オブ・ドリームス)』っていうアニメで 大英図書館が東京を占拠し神田古本街の本を集めて路上で燃やすシーンがあったが 意図したものかどうかは判らないが『華氏451』のオマージュっぽいシーンだった
映画のストーリーはメッセージ性の強い思想映画なのでエンタテイメントな部分は控えめだ 映像の作風とかを見ていると サンダーバード等のITCの『プリズナーNo6』っぽい 
今の若い人からすれば退屈な映画だとは思うがカルトムービーの一つであることは確かだ